統合失調症患者のつぶやき~ゲスでいいじゃない~

統合失調症を治療中の患者が闘病日記+ゲスなつぶやきを呟くブログ。ゲス注意。女・既婚者です。

医療のジレンマ

私は母方の祖父が獣医で、私自身は管理栄養士育成の大学に通って様々な医療の現場を見てきた。また、私自身が患者として様々な治療を受けてきた為、実に色々な患者を見てきた。そして夜の仕事や様々なアルバイト、夜遊び等を通して色々な人を見てきた。今は人と関わると疲れるので夜遊びは封印しているものの、色々な現場を見てきて思うことは、人間どころか動物の性格も多種多様だな、と思う。

 

昔の医療は治すことだけを最優先してきた訳だが、今の医療は患者のライフスタイルに合わせてオーダーメイドの様な臨機応変さが求められる。患者の意思により、今後をどうするのかを決めるのが医療の基本になっている。動物の場合は前までは飼い主視点で考えられてきたが、今はその動物自身の人生の質(QOLという)を高めることをより重視する。また、テレビ番組や雑誌、インターネット等で患者自身も知恵を付けてきたので、より良い医療を受けられる様になった。

 

だが、患者自身が知識を付けることによるデメリットも生じてきた。それは…。

 

マスメディアが過剰に珍しい病気や痩せる方法等を押してきている為、マスメディアを過信して医療関係者の言うことを聞かないという問題が生じている。栄養士の業界でも、マスメディアが「これを食べるだけで痩せる」「これは絶対に食べてはいけない」ということをごり押しすることを「フードファシズム」と呼んでいるが、これが物凄く厄介だったりする。マスメディアを過信するあまりに、本職の人の意見を全く聞かずに自己診断で事態を悪化させてしまうという問題を孕んでいる。思い込みというのは恐ろしいもので、そう思ってしまったら本当に具合が悪くなってしまうというものがある。その為、気に入った診断名が貰えないばかりに、医療機関を転々とする「ドクターショッピング」という事態が起きているのも事実だ。これで誤診をしてしまい、ついには「手遅れ」という事態に発展してしまうということが往々にしてある。

 

情報がたくさんある中、自分で事態をややこしくして、医療機関に駆け込んだ際には手遅れになってしまっては、QOLもクソも無い。医療機関は神様でも何でもないので、そうなれば恐らく緩和処置なり、患部の切り落としなりをしなければならないだろう。早めに医療機関に行き、当てにならなかったらセカンド・オピニオンをするのも良いが、ある程度での妥協は必要だ。あまり自己判断をせず、餅は餅屋で医者に任せる方が安全だ。

 

その一方で、患者の無知によって「手遅れ」になるケースもある。例を挙げると、二型糖尿病の患者が、患部が壊死して足を切り落とす手術の前日に「足を切りたくないよ~!」と泣き叫びながらロールケーキを一本食べていたという話を聞いた。私の本音を言えば、そんな阿呆は救ってやる必要が無いというものだが、医療機関は駆け込まれたからには治療をするしかないというジレンマがある。そして、その患者自体の生活指導を行って健康寿命を伸ばすということをしなければならない。そういう患者は恐らく生活を改善しないので、より悪化させては医療機関にかかるだろう。いくらお金の為とはいえ、これはこれでしんどいものがある。

 

そもそも病院は金儲けが酷いというが、確かにそういう医療機関はあるものの、大半の医療関係者は患者の健康を取り戻す努力をしている。今の高齢化社会では、むしろ医療機関の数が足りないので、お金儲けで一人の患者からお金を搾り取ることよりも、より多くの患者を救うことをした方が儲けになる位だ。なので今の医療機関では長々と治療を続けるということはあまりしない。入院したにしても、さっさと出す。お金の観点から見ても、どんどんと回転率を上げる方が儲かる。

 

医療関係者としても、医療機関にかからない方が良いに越したことは無い。それどころか予防の為の健康診断でも利益が出るのだからそちらとセットにすれば、より多くの人を健康に出来る。なのに、昔の医療からの偏見からかそういう目で見られる。更に患者の知能の高低も著しいとなると、かなりのジレンマを抱える。

 

私個人の考え方としては、医療関係者の話を一切聞かずに悪化させたら、後はご自由にお亡くなり下さいというのが本音だ。医療関係者がどんなに手を尽くしても、患者自身が暴走しているのであれば、もう救いようが無い。そんな奴は助ける必要が無いとすら思う。同情の余地すらない。だが、現場ではそうはいかない。このジレンマをどうするのかが医療の現場では難しい問題になっている。