昨日は産婦人科だった。
朝、旦那に起こされて何とかシャワーを浴びて、タクシーを呼んで出掛けた。別に歩いても良いかもしれないが、片道二キロ程の道のりを往復で出っ張ったお腹で歩く気がしない。
病院に着くと、血圧と尿の検査をしてから、三ツ矢サイダーみたいなビンに入った砂糖水を飲まされて、一時間程待った。呼ばれて診察室に入り、エコーを見た。きちんと頭は下を向いていたし、心臓は正常に動いていた。再び性別を調べたが、やはり女の子だった。3Dエコーで赤ちゃんの顔を見たら、笑っていた。笑っている赤ちゃんを見て、改めてこの子は私の子どもだと思った。私が赤ちゃんの時、出産した直後に笑っていたらしい。その後も笑顔を振り撒いて、その辺の高齢者からおやつを貰っていたらしく、その時のことを祖母と母親にネチネチと言われたことを思い出した。この子の笑顔が絶えない様に頑張ろう。エコーの後で採血をして、診察が終わった。
帰りに新札幌駅に寄って、倉敷珈琲に行った。なかなか居心地が良くて、珈琲も美味しかった。のんびりしたいような気がしたが、何故か早く出てしまった。
倉敷珈琲を出てから、イオンで買い物をした。自分が食べたいものばかりを買ったら、塩分が少しヤバそうな感じだったが気にせず買い物をした。また、お昼ご飯に焼き芋を買った。何故だろう。妊娠してから、やたら焼き芋が食べたくなる。それも、イオンのシルクスイートの焼き芋が食べたくなる。こんなんだからおならが止まらないのだろうなと思うが、止められない。
帰宅後、何故か疲れたのでゴロゴロしていた。産婦人科に行くと、何故か赤ちゃんの機嫌が良い。そして待ってましたと言わんばかりに猫さんのカガリが、お尻をこちらに向けながらお腹を揉んでいた。毎度恒例のお尻クッサーちゃんだ。留守にする時間が長かったせいか、いつもよりもお尻から放たれるフェロモンが濃い。猫さんの姫が退屈そうに寝ていたので呼ぶと、カガリが返事をした。それを見て、姫はやれやれと呆れた目でこちらを見てきた。
何回かお腹の赤ちゃんに話しかけたが、赤ちゃんは元気にお腹を蹴っていた。小さい頃の自分と被るが、別人格だと言い聞かせた。
★★★
ネットを見ていた時に、子どもを産まない人と産む人のことで議論(？)をしている掲示板を見つけて読んでいた。正直私は30歳までは子どもを産む気が無かった。それは、私の祖母と親が虐待する人間で、その血が流れている私に子育てが出来るとは思えなかったのと、そんな汚らわしい血を自分の代で止めようと思ったからこそ、その様な決断を下していた。また、自分は一人の人間の一生を抱える程高尚な人間ではないと思っていたので、それ以降も子どもを作ることを控えていた。
だが、あちこちで可愛い子どもに親切にしてもらったり、友人の子どもを見ているうちに心変わりをした。やはり私は子どもが欲しいと。丁度精神科の主治医にも子どもを作ることを許可されたので、札幌に引っ越して来たのを期に妊活を始めた。その間に、猫さんの滑皮さんの介護が入ってきたり、震災や資格の試験、親との絶縁等、トラブルがたくさんあって時間がかかってしまったが、何とか妊娠出来た。
ただ、私は未だに「これで本当に良かったのだろうか？」と思うこともある。私の様な、完全にアウトローにどっぷりと浸かっていて、キレるとアウトロー丸出しになってしまう人間が親になって良いものかと思ってしまう。他にも色々あるが、たまに悩む。
その掲示板には、子どもを持たない人も子どもが居る人も両方が意見を書いていたが、両方の立場が分かる私としては、うかつに他人に「子どもは良いよ。早く産みなよ！」とは言えない。様々な事情で子どもを持たない人も居るし、子どもを持つことが全てではないと思うからこそ、他人については「好きにすれば？」としか言い様が無い。人には人の信念があるからこそ、こちらの価値観を押し付けることは、横暴で傲慢で無責任だと思う。
私は独身・既婚子ども無し・既婚子ども有りの立場の人々から、それぞれお互いのクレームを聞かされて辟易した経験があるが、だからこそ子どもが居るからといって必ずしも精神的に成熟しているわけではないというのをしみじみと感じている。かといって仕事をバリバリしていて様々な経験をしているからといって、必ずしも世間をよく知っている利口で知恵のある人間とは限らないということも常々思う。
よくお互いがお互いを不幸だと決め付けあってマウンティングしあっている現場を見るが、私は逆にそういう奴らには幸せマウントをわざと取るようにしている。正直自分が一番で自分が正しい！と主張する人間は、くだらない。そいつらはよっぽど不幸なのかもしれないけど、元も子も無い発言なのを覚悟の上で書くが、本意であれ不本意であれ、過去の自分がその選択をした結果が今の自分であり、現状が嫌ならば今この一瞬に変える努力をせずに他人の足を引っ張って悪態をつき、何もしないのは怠慢だと思う。愚痴をこぼすなとは言わないが、悪態をついて自己憐憫に浸りつつ他人を下げて自己肯定して変わらずに他人を不快にするならば、さっさと何らかのアクションを起こせと言いたい。違う立場の人間を切ってストレスを溜めない様にするのも一興。他人は変えられないからこそ自分が変われば何かしらの影響はある。
今は昭和ではない。結婚して子どもを持つことが全てでも幸せな時代でもない。正にみんな違ってみんな良いのである。自分が幸せだからと他人が同じ訳でもない。みんなそれぞれ、自分で選んだことに後悔していなければどう生きようが自由ではないのかと思う。だからこそ、余計な口出しはして欲しくない。人に迷惑をかけなければ、何をしようが自由だと思う。幸せであれば、どんな立場でも良いと思うが、私がおかしいのだろうか。
