よくよく考えてみると、私は親不孝しかしていないことに気付いた。勝手に暴走して自滅している、物凄くカッコ悪い頭の弱い女は紛れもなく私だ。母を傷付ける奴が許せなくて全て追い払っていたつもりが、何一つ出来ていないことに気付いて自己嫌悪に襲われている。
3歳の頃、母が父の周りの女や親類関係のゴタゴタに巻き込まれている時に、「お母さん、いつでも逃げて良いよ。お母さんの事は私が守る！」と約束したのに何一つ守れていないことがよく分かり、自分はなんて愚かなカスなのかと思うし、自分が一番嫌いだった「汚い大人」になったのは紛れもなく私だった。そして母を一番追い込んでいたのは、私であることに気付いて本当に申し訳無く思う。
本当に親の不倫というのは罪深い。本当は旦那や息子を信じたいのに、ふとした瞬間に疑ってしまって辛い。本当のことを知るうちに、どんどんと心が傷付いていく。どんなに最低でも、私の父はただ一人。完全に嫌いになれないのが辛い。いっそのこと清々しいまでのクズならば、母と弟を連れて逃げて私が一家の大黒柱として養う覚悟も出来たのに、良い面がたくさんあるからこそ完全に嫌いになれない。この呪縛は何時になったら解けるのか分からないし、苦しい。
何が最善なのか、頭の悪い私には結論がなかなか出ない。ただ言えるのは、相手の女は何回殺しても殺したり無い位憎い。何よりも自分の頭が悪いが為に、母の苦悩に長年気付かなかったのが悔やまれる。もっと母に寄り添っていればまた、未来は違ったのだろうか。
ただ今はひたすら、母に会いたい。悪い娘でごめんなさい。
