今日滑皮さんの病院に行ったら、かなり体調が悪いみたいだ。
昨日から水は飲むものの全く食欲が無く、呼吸も苦しそうだ。貧血が進み、粗相をするようになってしまった。死に場所を探す様に暗がりに居るようになった。
何故こんなに辛い病気になってしまったのだろう。彼は健康ならば、もう少し一緒に居たかっただろうに。愛している旦那や姫に甘えたかっただろうに。とても無念だ。あれだけ嫌がっていた投薬も、もう抵抗をしなくなった。抵抗する力も無いのだろう。
明日、今後をどうするかを先生と話に行く。このまま治療を続けるか、それとも安楽死をするか。
滑皮さんはここまで物凄く頑張った。癌を患った猫さんとしてはかなり頑張って治療をした。だからこそ、楽にしてあげたい気もする。どんな決断をしても、後悔するだろう。だからこそ彼には最良の選択をしてあげたい。
癌の闘病は辛いと聞く。闘病ブログを読んだが、想像を絶する辛さだと書かれていた。そしてそれを支える周囲も相当辛いだろう。弱っていくのを感じる辛さは多少は私も理解出来る。だからこそ最期は安らかに逝きたいだろう。スキルス癌を患った母方の祖父が「もう楽になりたい。おばあちゃんの元に行きたい。」と言っていたのを覚えている。その位癌は辛い。
滑皮さんをどうするかは今夜の様子を見て決めよう。そして双方に後悔の無い様にしよう。
それと同時に、自分の小ささや未熟な部分が見えた。あっという間に日常は崩れ去ってしまう。普通でいられることがいかに幸せかを分かっていなかった。目先の不幸にばかり気を取られて、遠くや近くの幸せが見えなかった。こうならなければ何も気づけなかった。もっと早くに気付いていれば、もっと滑皮さんや高田、姫を幸せに出来たのではないかと後悔してもしきれない。
私は高田の死から何も学べていなかったのか。滑皮さんがこうなるまで何も分からなかったのか。本当に私は馬鹿だ。自分の頭の悪さが悔やまれる。
もう後は滑皮さんの意思に委ねるしかない。彼のやりたいようにやらせてあげよう。